焼印製作における原稿とは?

オリジナル焼印製作に必要な原稿(デザイン)の種類

令和の焼印
テレビで映った「令和」をそのまま焼印で!とのご注文が多くございまいた。

今回は焼印を製作する際の原稿のお話し。ここでいう原稿とは焼印の「デザイン」となりますね。後半はとてもややこしい事になります、ブログだからこそ書いてみました。

例えば、自身の名刺を作るにもポスターを作るにも「原稿=デザイン」が必要です。名刺屋さんもポスター屋さんも原稿を入稿してくれないと製作できません・・・デザインが用意されている場合はセミオーダー、とでも言いましょう。同じように当店のオリジナル焼印にしても「お客様が作ったデザイン(原稿)」が必要になります。

焼印の原稿ってなにを用意するの?

白黒が限定となりますが、比較的どんなモノでも焼印にできちゃいます。
  1. 上記写真のように令和の「手書き」文字。サイン・キャラクターなど、または「お子様が書いた記念の絵」などもできますね。
  2. 入稿される原稿の種類ではイラストレーターなどの「PCで作ったデザイン」が一番多いでしょうか。PCで製作した原稿はやはり機械と相性が抜群なので、デザインがそのまま焼印として再現されます。
  3. 「ポスターや印刷物」も可能です。いちど自身で切り抜き・白黒にコピー機で変換などをしていただく工程が入りますが可能です。白黒になっていれば「指定の場所のみを焼印」にすることも可能ですね。
  4. 手書きじゃなくてPCで作った綺麗な書体が希望の方は、「ワードやエクセル」で入力した文字をお送り頂ければそのまま焼印に製作できます。文字化けが怖いので、フォント名の記載や「PDF」にしてお送りしていただく必要がありますのでご注意を。PCが苦手!などお電話ください、簡単ですのですぐにレクチャーいたします。
  5. 稀にあるのが「印影」からの焼印復元ですね。これはどの程度「印影」が紙に写っているか・PCにどの程度スキャンさせることができるかによるので、100%復元(再現)出来るとは言えなない原稿です。100%復元可と聞いたらまず疑った方がよいかと・・・
  6. 最後は「インターネットにある画像・イラスト」ですね。白黒であれば製作可能ですが・・・著作権などを自身でお確かめの上、製作依頼をお願いします!
6については焼印屋のホームページのこちらのページをご覧ください。(←クリックで外部ページへ飛びます)

焼印の原稿(デザイン)ができた!あとは綺麗な焼印を待つだけだ・・・

とはいかない場合が・・・ここで前回の「焼印の加工方法」のお話が絡んできます。ここより下は普段お客様には説明していない「原稿をデータ化」するお話。噛砕いて書いていきます。

原稿通りの焼印を作るには、結論から言うとPC制御の機械で加工するため「原稿の綺麗さ解像度」が重要になります。

「綺麗さ」というのは上部の写真の「令和」で例をあげましょう。ぱっと見綺麗ですし、うまいです。しかしここでは「うまい」はどうでもよいです。ぱっと見綺麗に注目します。黒がはっきり出て滲みもなくしっかりした縁取りです。「綺麗です」。
でも、虫眼鏡などではなく電子顕微鏡などで、すごーく見てみると文字の縁が「必ず」滲んでいるでしょう。「人の目」で見ているから当然ですね。

では「解像度」というPC視点で見たときどうなるか、下部写真で見てみましょう。まぁPCには目はないので原稿(手書きの文字や印刷物・ポスター)を認識させるために写真やスキャナーでPCに送ってあげます。

佐川印刷株式会社様より
左が「目で見る円」・中央が「ベクトルで見る円」の縁・右が「ビットマップで見る円」の縁

中央と右が「PCが」見ている令和の一部の縁としましょう。右は墨が滲んだようにガサガサしていますね。もちろん、拡大しなければ左のようにPCも綺麗な円を認識します。携帯でも経験ありますかね、画像を拡大するとガサガサ・ぼやぼやしているやつです。

このガサガサ・ぼやけ具合が「解像度」となります。ピクセル・画素数のお話は省きます。

ここで「綺麗さ」と「解像度」が出会います。

PCに現物の原稿を送る("データ化"すると言いましょう)ときに「どれだけ現物が綺麗か」が重要です。原稿が荒い・汚い・色が薄いと「写真に写らない・異物を認識する・スキャンされない」などPCがきちんと認識しなくなってしまうんですね。写真を綺麗に撮ろうが、解像度を上げてスキャンしようが原稿の状態でPCの認識が変わります。

例えば、上記の「紙に書いてある現物」の「令和」をスキャンした際に、「払い」部分・かすれ部分が認識されない等の現象が起こります。これは「解像度」を上げてスキャンすれば大体はおさまります。

原稿が綺麗であれば解像度も生きてくる。といったところでしょうか。

さて、データ化した原稿はまだPCには見えていても、今度は加工機械には見えていません。PCが見ているのは上オレンジ色写真の右「ビットマップで見る円」です。

Q.ビットマップ?

A.格子状の画素。解像度を上げるとガサガサが増えて滑らかに認識します。しかし結局は拡大すればガサガサです。テレビとか携帯の画面とかのやつと思ってください。
佐川印刷株式会社様より
左がベクトルデータ・右がビットマップデータ

このビットマップの状態を機械が制御できるように、格子状の集合体(ガサガサ状態を正確に表すと「行・列」という認識)から「数値・座標」に変換してあげなくてはなりません。機械は数値制御ですので、「ここの格子に彫って」と言っても動いてくれません。「格子?行?列?「XとYの数値」で教えてください!」って感じですかね。

専用ソフトでベクトル変換作業をします・・・ガサガサ状態を数値・座標にするとどーでしょう、格子状の白黒集合体が集まったモノより上記写真左側のように「綺麗で滑らか」になります。座標のおかげで「点や線」といった情報に変換できるからです。上記オレンジ色写真の中央「ベクトルで見た円」がこれにあたります。数値・座標で制御なので拡大してもガサガサはありません。ベクトルまでくるとテレビや携帯の画面画素のお話ではなくなります・・・。

しかし、ベクトルにする前にビットマップの状態が・・・

よくないと基原稿との差異がおこります。...もう話がごちゃごちゃしてきましたね。

ビットマップの状態とは、原稿をデータ化した時の綺麗さです。解像度が荒ければ、ビットマップの「格子状の集合体」の数が少ない=行・列が少ないとなりますので、ベクトル変換時の数値・座標が大雑把に変換されて「元の行・列がずれるような現象が起こる」=「元の原稿と差異が生まれる」というややこしい事が起こります。

下の写真を見てみましょう。一例ですが・・・

左が原稿をPCにデータ化した「ビットマップの状態」/右が「ベクトル変換後の状態」

基の原稿から少し形が変わっていますね。解像度が高いほど、写真(画像)が綺麗なほど、この差異は無くなっていきます。PCとソフトの関係もあるのですが・・・ここでは省略します。

つまり、
白黒の綺麗な汚れていない原稿を用意→PCにデータ化する→格子が多いい=解像度が高い=ベクトルが綺麗にできる=基の原稿通りに焼印ができる・・・となります。
  1. もとの原稿の状態が100%
  2. 原稿の「綺麗さ」と「解像度」の影響でPCに送った時の状態が95%
  3. ビットマップからベクトルの変換時に90~80%
  4. 90~80%くらいの再現度で「焼印」の完成
上記の%は大まかな例です。手書き・ポスター・印刷物などの紙・写真媒体の原稿は、原稿の精度・状態で焼印の仕上がりは変わります。

しかし、頂いた原稿を100%に近づけるよう途中で「修正・補正」はしていますのでご安心を。

「全然違うじゃん」とはなりません。

上記の工程をすっ飛ばして、原稿を99%再現できるのが「最初からベクトルデータの原稿」です。イラストレーターなどPCソフトで作った原稿ですね。皆様がベクトルデータを持っている事はないので、当社のような彫刻業(焼印屋)は手書きなどの原稿を如何に忠実に焼印に再現するかが腕の見せ所!っと言ったところでしょうか?

焼印屋ごあいさつ

今回は原稿のお話でした。特に、「手書き・印刷物・ポスター」関連のお話となりました。かなり噛砕いてのご案内なので、知識のある方にはそこは違う!などあるかも知れませんが目を瞑って頂けると幸いです。機会をみてイラレ・エクセル・ワードなどPC原稿のお話もいたします。

オリジナル焼印の製作は「焼印屋」へお任せを
焼印屋ホームページ https://www.yakiinya.jp

焼印屋
ブログ担当:なおき

このブログの人気の投稿

彫り札屋「木札・喧嘩札とは?」のお話

桜・ハロウィン・猫・足跡焼印など季節もの焼印

シブヤ彫刻の業務内容